よくある質問

必ずしもよくあるとは限りませんが、いただいたメールの中から一般性の高いものについて紹介しています。

  1. 研究者ではないそうですが、どうして魔女狩りについてのページを公開しているのですか?→回答
  2. 色々と調べていますが、大量の資料(史料)を前に頭の中がこんがらがり、どうも自分の問題意識を見失って自分自身、何を書きたいのかわからなく困っています。→回答
  3. 『魔女の槌』についてですが、どんなルートで、あの本を入手されたのでしょうか?いろいろな本に紹介されてあるのですが、一度原本を見てみたいと思っています。入手ルートをご存知でしたら教えてください。→回答
  4. 正直言って西洋史学の史料集めって大変ですが、どうやってこのような資料を集めたのですか?特に外語の史料についてなのですが?→回答
  5. 「魔女の森」というのは何処の国の何という森のことを言うんですか?知っていたら教えてほしいんです。以前、TVでやっていたんですが。→回答

●1.研究者ではないそうですが、どうして魔女狩りについてのページを公開しているのですか?

答えは単純で「ヤフーで探しても魔女狩りについてのページがなかったから」です。

不思議なもので、書籍はそこそこあるにもかかわらず、魔女狩りについてのWebページは皆無(注:1999年公開当時)。検索したら専門的に研究されている方のページがたくさん出てくると思ったのですが。ならば、自分の持っている情報を公開して、同じく魔女狩りについて調べようとしている方々のお役に少しでも立てたらと思って、公開したわけ。あと、逆に私が魔女狩りについてのお話をいろいろ教えていただけたら、という意図もありますが

もっとも、私がWebページを作成するのに技術的に困難を感じないという要因も大きいです。逆に専門家の方々は、自身の有しているデータをWebページにする技術や時間に欠けていると思われますが、頑張ってどんどん情報を公開して欲しいと願っています。

その他「このサイトについて」もご覧下さい。

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●2.色々と調べていますが、大量の資料(史料)を前に頭の中がこんがらがり、どうも自分の問題意識を見失って自分自身、何を書きたいのかわからなく困っています。

「魔女狩り」は奥が深いというか、範囲が広いというか……年代でみても15c後半〜17c後半と幅広く、地理的にみてもフランス、ドイツ、イギリスなどなど広範囲に渡っています。

だから論文を書く場合は、時と場所をぐっと狭くしてやるほうがいいみたいです。でないと結局まとめきれなくて、概説っぽくなりがち。実際、魔女狩りについての本はあれこれと概説っぽい内容が多く、それに影響されがちです。

しかし卒論の場合、テーマをワンポイントに絞る方が良いもの。例えば、「なぜ魔女はホウキにのっているのか」「なぜ魔女にはクロネコがつきものなのか」などなど……。「問い」といっても良いかもしれません。「問い」ができればおのずと「答え」もできる。それを証明するために具体的な論拠を挙げる。そうして論文が完成する……のだと思います。

もちろん、材料(論拠)がそろえられないテーマは避けるべきでしょう。つまり、出来るテーマと出来ないテーマがある、ということになると個人的には思います。

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●3.『魔女の槌』についてですが、どんなルートで、あの本を入手されたのでしょうか?いろいろな本に紹介されてあるのですが、一度原本を見てみたいと思っています。入手ルートをご存知でしたら教えてください。

そもそも原典は「ラテン語」。よって原典を入手するのは非常に困難ではないでしょうか?私が入手したのはフランス語訳。その他、英訳もあるそうです。が、いずれにしても、日本人の場合、「翻訳のさらに翻訳」になります(研究者のどなたかが、原典をもとに日本語訳してくれると、まだマシかも……)。

フランス語訳の入手方法ですが、実は先生から『魔女の槌』の仏訳があると教えていただき、大学の図書館で調べましたが(当然)ないので、図書館の職員さんに尋ねました。すると大学間のネットワークを調べてくれて、名古屋大学(だったと思います)と神戸大学にあることがわかりました。そこで場所的に近い神戸大学でお借りしました。

ちなみに、インターネット時代の今では、自分で購入するのも難しくないかもしれません。例えば:

などのオンライン書店で『Malleus Maleficarum』を検索すると見つかると思います(英語版がほとんどでしょうが)。

また、先生や図書館にお願いして、仕入れてもらうのも良いでしょう。

※追記:海外のページでなんと『Malleus Maleficarum』の英訳がオンライン公開されているようです。→THE MALLEUS MALEFICARUM

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●4.正直言って西洋史学の史料集めって大変ですが、どうやってこのような資料を集めたのですか?特に外語の史料についてなのですが?

大変ですよね。特に魔女狩りなんて、原典ラテン語ですし。ラテン語は卒論段階なら置いておくとして、基本的に史料、というより参考文献探しになると思います。

まず一般的な論文や文献を探しましょう。例えば:

  • ネット検索あるいは図書館のコンピュータ検索で「魔女」や「魔女狩り」あるいは「異端審問」などをキーワードに探す
  • 図書館や大学の書店、あるいは大きな書店の(魔女狩りの時期に相当する)書棚を探す
  • 担当の先生に相談・質問する

そうして文献を手にすると、たいていはその文献の中に参考文献あるいは引用文献が記載されているので、それを手がかりにまた文献を探すわけです。専門的な文献になるほど、外国文献も記載されているので、それを元にして探します。一覧がなくても、文中に引用番号が記されていれば、その先に引用文献が明記されているので、それを参考にします。

入手できるモノについては、書店に注文するなりしても良いでしょう(ただしお金に余裕のある場合)。しかし外国文献など入手まで時間がかかるものもあるでしょう。

そこで頼りになるのが、大学図書館。図書館自体になければ、図書館の職員さんに相談してみると良いと思います。他大学の図書館とネットワークがあれば、見つかった大学から借りられたりあるいはコピーを取り寄せることもできる場合があります。いずれにしても、図書館の職員さんと顔なじみになるのは良いことです。

また先生方にも相談してみるのも良いでしょう。教官室まで押し掛けてそうだんを持ちかけ、積極的に先生を活用すべきです。

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●5.「魔女の森」というのは何処の国の何という森のことを言うんですか?知っていたら教えてほしいんです。以前、TVでやっていたんですが。

確かTBS「世界ふしぎ発見!」で以前、魔女がテーマの放送があったと思うのですが、その中で紹介された(と思われる)「魔女の森」がどこの国のなんというところにあるか、ご存じの方はぜひお知らせを!……と、このサイトで告知したところ、「放送にあったのは、スイスのブラッテンという村でしたよ」とのメールをいただきました。そこで「ブラッテン」を検索エンジンで調べたところ、レッチェンタールにある村らしいと分かりました(「らしい」というのも、手元の地図には載っていないので……)。

レッチェンタール自体、「スイスヴァリス州の秘境中の秘境」だそうで、ブラッテンは「その最奥の村」らしいです。情報提供していただいた方に感謝!(※ただし、「『森』と呼べるかどうかはちょっと疑問の残る部分もあり」だそうです)